業務内容

環境調査

陸域 > 猛禽類

■猛禽類調査

クマタカ

鳥でも大型の種は多くのえさを必要とします。とりわけ肉食性のタカはウサギなどの哺乳類や小鳥などをえさとしています。このためタカの存在から、そのえさとなる動物、さらにそれら動物のえさである植物など、タカを頂点とした生態系が浮かび上がります。生物資源の豊かさのバロメーターとも言えます。

タカの仲間は日本では30種あまりが確認されています。そのうちの約半分が環境省のレッドリストに記載されています。すなわち多くのタカは希少種となっています。 これは近年、開発によりその生息環境の消失・分断などが進み、えさ動物などが少なくなっているからだと一説に言われています。

ダムや道路などの事業が行動圏に対してどのような位置付けにあるかを判断するには、タカの行動圏を把握する必要があります。タカは広い範囲を利用して生活しています。クマタカで3km四方、イヌワシで10km四方の範囲を行動圏としていることが知られています。このため事業とタカの行動圏との関係を明らかにするには、時に広い範囲を観察する必要があります。

したがってタカの調査は定点観察法により数人で行うことがほとんどです。終日、同じ場所にとどまり、双眼鏡やフィールドスコープ(望遠鏡)を用いて観察します。

■調査裏話

クマタカ

クマタカやイヌワシは晩秋から初冬にかけての時期に繁殖活動をはじめます。産卵はクマタカで3月頃、イヌワシで2月頃なのですが、それまでに求愛行動や巣作りをします。調査は繁殖期に合わせて行なうことがほとんどです。このため冬に山に入ります。

太平洋沿岸の標高の低いところですと寒さはそれほどでもないのですが、北陸など日本海側の地域ですと冬は積雪があります。積雪1〜2mのところで終日観察ということも珍しくありません。

冬の日本海側は晴れることはまれで、大概、曇または雪です。雪が降ったり止んだりという天気のことがしばしばです。降雪時は雪であまり見えないのですが、一時的に雪が止んだりするとその間に観察されるので気が抜けません。